【糸満】糸満市立高嶺小学校の移転改築事業で、市が現計画を見直し拡張用地案や新校舎の建設場所を再検討することが分かった。概算事業費が当初計画の23億円から40億円に増加したことが主な要因。2028年度を予定していた小中一貫校の開校は遅れる見通しだ。
12、13日の市議会で、山城渉氏らの一般質問に市当局が答えた。
高嶺小移転改築を巡って市教委は22年度の2度の入札不調を受け、24年度開校予定だった当初計画を見直し現計画を策定しており、見直しは2度目。さらにどの程度遅れるか、市教委は「見直しの方向が決まらないと見通せない」としている。
見直しは、既存建物の改修工事を最小限に削減するなどして事業費を30億円程度に抑え、現行約10億円の一般財源からの支出を抑制する。拡張用地案は、現計画で候補に挙がった高嶺中の南東部への拡張案なども含め再検討する。
高嶺小の一部校舎は老朽化が進んでおり、10日には外壁に設置した校章が落下する事故も判明している。市は危険性除去のため、運動場への仮設校舎建設はそのまま進め、児童らは来年1月ごろ仮設校舎に移る予定だ。
當銘真栄市長は「厳しい財政状況から40億円での事業執行は困難と判断した」として開校の遅れをわびた。
10月にも見直しについての地域説明会を開く。
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