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糸満市、異例の暫定予算 議会が24年度原案と修正再議を否決 市民生活への影響懸念


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糸満市、異例の暫定予算 議会が24年度原案と修正再議を否決 市民生活への影響懸念 糸満市役所(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 【糸満】糸満市議会(金城寛議長)は26日の3月定例会最終本会議で、2024年度一般会計予算案について西崎運動公園ブルペン整備など5事業の費用計8億6699万円を減額する修正案を賛成多数(賛成10、反対9)で可決した。當銘真栄市長は修正案の審議をやり直す再議を発動し、修正案は議決に必要な3分の2に満たず否決された。原案も否決され、4月1日以降は当初予算が可決されるまで、数カ月単位で暫定予算を組む異例の事態となる。

 最終本会議は長時間を要し、27日早朝まで行われた。

 糸満市で、当局と議会が折り合わず暫定予算が編成されるのは2007年度以来。

 暫定予算は人件費、扶助費など義務的経費が中心となるため、市事業の遂行や市民生活への影響が懸念される。

 當銘市長は「市民の福祉、防災、教育、産業振興に関わる重要な事業で理解が得られず残念だ。暫定予算による市民生活への影響は最小限にとどめたい」と話した。今後、当初予算の早期可決を目指し、市議会に事業の必要性を訴えていく。

 修正案は野党・中立系市議7人が提出した。真栄里土地区画整理事業の予算を減額、市民ふれあいセンター兼福祉避難所整備事業と市地域福祉センター整備事業、西崎運動公園ブルペン整備事業、高嶺小学校移転改築事業の予算を削除した。発議者の大田守氏は「財政を顧みない大型投資的経費によって、持続的な市民サービスができなくなる恐れがある」と主張した。
 (岩切美穂)