沖縄市区は定数5に政党から公認を得た6人が立候補を予定している。現職4人に新人2人が争う少数激戦区だ。前回2020年の県議選では玉城県政の与党系が2人、野党系が2人、中立系1人が当選した。今回は21年に社民と立民が合流議論を経て分裂となって以降、初の選挙戦となる。社民からくら替えした立民候補と社民候補、共産候補の与党系3人に自民候補の野党系2人、公明候補の中立1人が立候補を予定している。
過去4回の県議選を社民公認で闘ってきた仲村未央氏(51)は21年の社民と立民の合流・分裂議論を経て立民に籍を移した。立憲民主党県連代表も務める。手ぶりやスポット演説をこなすほか、市内全字にいる世話人を通して地域懇談会を重ねる。連合沖縄傘下の自治労と沖教組、全駐労、JP労組、私鉄沖縄から推薦を受けるなど労組から支援を得る。
2期目を目指す共産公認の島袋恵祐氏(37)は車通りの多いコザ十字路沿いに事務所を構えて再選を目指す。「知名度が課題」と捉え、集会やSNSで発信を強化。これまで女性の集いを開催したほか、党国対委員長の穀田恵二氏と照屋義実副知事を招いた集会も開催した。党員票を固めつつ、物価高対策や消費減税などを訴え、無党派の取り込みも狙う。
社民公認の新人、幸喜愛氏(58)は政府が進める沖縄への防衛力強化の流れに危機感を抱いて出馬を決意した。政治活動は未経験だが、これまで宮里自治会長を9年間務め、市自治会長協議会長も歴任。この活動で培った知名度や人脈を生かして初当選を狙う。大票田となる地元宮里地域の票固めに力を入れるほか、出身地の美里地域でも同級生が支援に動く。
自民の花城大輔氏(52)は4期目を目指す。3月の事務所開きには想定以上の200人超の支援者が参加した。連日、手ぶりや日本青年会議所(JC)の活動などで得た人脈を生かした企業回りをこなし、政策を訴える。後援会スタッフは自転車で支持を呼びかけるほか、ボウリング大会を計画。事務所にゲストを招いた講話会も開催し支持拡大を図る。
再選を目指す自民の小渡良太郎氏(44)は地盤の泡瀬地域の支持者や企業回りに励む一方、街頭演説もこなして政策を訴える。数千人の会員を擁する「泡瀬復興期成会」からの推薦も得た。前回県議選ではコロナ禍で活動ができなかったことを踏まえ、今回は地域回りを重視し、小集会を細かく開催する。市議団の支援も得て市内全域で支持拡大に汗を流す。
県議を6期務めた公明の金城勉氏の後任として、初の県議選に挑むのは市議を4期務めた高橋真氏(47)だ。金城氏と一緒に支持者回りをして、後継を浸透させる活動に励んでいる。地盤とする美里仲原町を回り、票固めを図りながら、市内全域の企業の朝礼に参加する。新人のため知名度が不足している課題を抱えており、地域回りを丁寧に続けていく意向だ。
(’24県議選取材班)