有料

沖縄県議選、告示まで1カ月 国政選、知事選への影響必至 各党の動向を探る


沖縄県議選、告示まで1カ月 国政選、知事選への影響必至 各党の動向を探る
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 6月7日告示、16日投開票の県議選に向け、県内13選挙区で68人(6日現在)の立候補予定者が議席確保に向けて動き出している。選挙結果は県議会の与野党構成のみならず、年内実施も想定される衆院解散総選挙や2025年の参院選、26年の県知事選への影響も大きい。政局も見据え、県議選に臨む県内政党の動向を探る。

 自民党は今県議選で現有議席の18を上回る20人を公認した。辺野古新基地問題を巡る代執行訴訟で県が敗訴し、工事が進んでいることで争点とはならないとの見方もあり、「追い風」(県連関係者)と捉えた強気の姿勢がうかがえる。移設問題を巡る情勢の変化を捉えて巻き返しを狙う。

 一方で、一連の裏金問題の影響は否定できない。4月の衆院補選では事実上の全敗を喫した。県知事選に向けて勢いを付けられるか、最大目標の県政奪還へ勝負どころを迎えている。

 前回県議選で党最多の7人を当選させた共産党は、玉城県政を支える「オール沖縄」を前面に打ち出しており、現有7議席の維持を掲げる。党公認を立てない宮古島市区や石垣市区の与党系候補に推薦を出す異例の動きを見せる。県委幹部は「県議選で与党多数を実現し、国政野党共闘につなげたい」と意気込む。

 県内では21年、社民党所属議員の一部が立憲民主党に合流した。国政で野党第一党の立民だが、県内では旧民主党時代、普天間飛行場の移設問題で「最低でも県外」から辺野古回帰に変更したことへの反発もあり、旧民進党を含め県議選での当選は12年1人、16年ゼロ、20年1人と低迷してきた。社民合流後初となる今回、立民は5人を公認し、党勢拡大を目指す。

 一方、立民との合流で党員の半数以上が離れた社民も公認5人を擁立する。この4年間で党の精神的支柱だった照屋寛徳元衆院議員、新里米吉前県議会議長らが相次ぎ他界。県議選では16年6人、20年4人が当選しており、県内政局で発揮してきた影響力を今後も保てるか正念場となる。

 公明党は16年県議選で最多4人が当選したが、20年の前回は新型コロナウイルスの影響によって公認2人にとどめた。今回は那覇市・南部離島区と浦添市区、沖縄市区から16年以来の計4人を公認した。公認を立てていない選挙区では自民候補の支援に回る。

 25年で結党75年を迎える社大党は3人を公認した。県議選での議席は08~20年まで2~3議席で推移しており、全員当選を目指す。

 維新は3人を公認した。13年に県総支部を設立したが、20年のカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業事件の余波を受けて同年3月に総支部が解散。21年衆院選に公認候補を擁立したことを契機に22年に再び県総支部が設立。23年中に赤嶺昇県議会議長や現職県議が入党・復党した。

 赤嶺氏は次期衆院選への出馬を目指し、今県議選には出馬しないものの、後継候補が維新公認として戦う。

(’24県議選取材班)