<糸満市区>現職1人、新人3人
糸満市区は定数2に現職1人と新人3人の計4人が立候補予定だ。現在は県政与野党系1人ずつが議席を分け合う。今回は与党系2人と野党系1人、中立系1人が議席を争う。県議選と同日に投開票となる糸満市長選の動きも鍵を握りそうだ。
共産新人の上原徳一郎氏(64)は県議を4期務めた玉城ノブ子氏の後継として出馬する。元那覇市職員で政治活動は未経験。市内最大の票田、字糸満地域を地盤とした玉城氏の支持者と辺野古新基地建設に反対するオール沖縄支持層へのあいさつ回りに励む。門中の中でも県内最大規模の幸地腹門中の一員でもあり、親戚回りで知名度拡大に取り組む。
無所属新人の玉城哲郎氏(38)は、市内全戸へのあいさつ回りをこなしたほか、街宣活動、チラシ配布やSNS発信にも力を入れる。糸満市議を2期務め、西崎3丁目と米須地域を地盤とする。これまで、辺野古新基地建設に反対する「島ぐるみ会議いとまん」で活動してきた経歴を生かし、字糸満を地盤とし勇退する玉城ノブ子氏の支持層取り込みも狙う。
3期目に挑む自民現職の新垣新氏(49)は昨年から市内全戸への訪問を始め、一周目を終えた。5月末までに二周目も完了予定。公明や業界団体からの推薦を得た。急激な円安からの物価高騰を踏まえ、街頭では県の独自支援策が不十分だと訴える。5月末の総決起大会には知名度の高い自民党の石破茂元幹事長を招き、無党派層への支持拡大を図る。
維新新人の大田守氏(65)は糸満市議を5期務め、米須地域が地盤だ。県議選に向けて票田の字糸満に事務所を構えた。地域や企業回りに励むほか、女性の集いを開催した。今回の市長選候補との連携はしないが、上原昭前市長からの支持を得る。政権与党にも、玉城県政にも批判的な訴えを展開し、有権者に「新たな選択肢」を示す戦術を取る。
(’24県議選取材班)