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選挙カーのアナウンス、なぜ女性が多い? 高く響きやすいから? 人手不足で「録音」も


選挙カーのアナウンス、なぜ女性が多い? 高く響きやすいから? 人手不足で「録音」も
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 選挙時に街中を走る立候補者の選挙カー。候補者名を知らせるだけでなく、候補者が実現したい政策や訴えたい政策についても紹介するが、アナウンスは女性の声が多いようだ。なぜなのかを選挙関係者に聞いてみた。

 かつてアナウンス係は美しい声の女性が担当するとされ「うぐいす嬢」と呼ばれていたが、ジェンダー平等への配慮から近年の新聞報道などでは「車上運動員」との表現に言い換えられた。

 ちなみに男性のアナウンス係のことは「カラスボーイ」という呼称もあったとされるが、アナウンス係に女性が多いため表現自体になじみがない。琉球新報紙面の過去記事をデータベースで調べてみたが、カラスボーイは検索しても出てこなかった。

 政治分野では、女性の立候補者や政治家が少ないことなど偏りも指摘されているが、その影響もあるのだろうか。ある女性候補は「女性の声が高くて響きやすいというのがあったのでは。男性候補が多いため女性に頼むことになったのではないか」と推測した。

 別の選挙関係者によると、アナウンス係はバスガイドを本職とする女性がアルバイトで担当していることが多い。ただ昨今の人手不足は選挙運動にも影響しており、退職者らも応援に駆り出されている実情もある。人手不足のため、録音した立候補者の声を流している選挙カーもあるという。

 男性のアナウンスが聞こえたので、選挙カーを追いかけて候補者の事務所を訪ねてみると、アナウンス係は置かずに市町村議員らと県外から来県した応援弁士がマイクで演説しながら選挙カーで選挙区内を巡回しているとのことだった。

 各選挙関係者それぞれに事情はあるようだが、投開票日まで残すところあと1日。街行く選挙カーに耳を傾けてみてはどうだろうか。

(慶田城七瀬)