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【市郡区別分析】国政選挙に影響必至 玉城デニー県政に厳しい評価 沖縄県議選 1/2


【市郡区別分析】国政選挙に影響必至 玉城デニー県政に厳しい評価 沖縄県議選 1/2 県議選の開票作業を行う職員ら=16日午後9時22分、那覇市民体育館
この記事を書いた人 琉球新報社

 16日投開票の第14回県議会議員選挙は17日未明、48人が当選を確実にし、与野党構成が固まった。玉城デニー知事の県政運営の中間評価が争点となったが、共産や立憲民主、社民など与党が20人、自民など野党22人、公明、維新の中立6人の構成で、与党の過半数割れが決まった。自民を中心とする勢力が議会の過半数を占めるのは16年ぶり。選挙結果は、県政運営や今後想定される国政選挙にも影響を与えることは必至だ。(敬称略)

自公維、与党を1議席上回る<那覇市・南部離島区>

 那覇市・南部離島区は与党系8人、野党系5人、中立系6人の19人が定数11を争う県内最大の激戦区となった。

 公明の新人が当選したことで与野党構成も変動し自民と公明、維新が与党を1議席上回った。内訳は自民3と中立の公明2、維新1に対して与党は共産2、立民1、社大1、無所属1だった。

 自民は公認の現職3氏が全員当選した。現職の西銘啓史郎は有権者に丁寧に政策を訴えたことが奏功し3選を果たした。

 公明は現職の上原章の6期目当選に加えて、新人の糸数昌洋がトップ当選した。

 維新は現職の當間盛夫が知名度を生かした選挙戦を展開した。

 立民現職の喜友名智子は政党の支持基盤である連合の支持に加えて、子育て世代への浸透を図り2期目当選を手にした。

 社大新人の平良識子は市議5期の知名度に加えて県医師連盟からも推薦を取り付けるなど支持を集め初当選を果たした。

 与党無所属の現職、上原快佐は政党支援はないものの豊富な運動量で浸透し2期目当選した。

 共産は渡久地修と比嘉瑞己の現職2氏が議席を守った。

与野党2人ずつ、中立1人当選<沖縄市区>

 沖縄市区は定数5に政党から公認を得た6人と無所属の1人が立候補した。現職4人に新人3人が争う少数激戦区となった。

 前回20年の県議選では玉城県政の与党系が2人、野党系が2人、中立系1人が当選した。今回は21年に社民と立民が合流議論を経て分裂となって以降、初の選挙戦となった。社民を離れ立民公認となった候補と新たに擁立された社民候補、現職の共産の与党系3人に自民の野党系2人、公明と無所属の中立2人が立候補した。与党系2人と野党系2人、中立系1人の当選が確実となった。

 現職の仲村未央は社民を離れ、立民公認となって初選挙だったが、労組などの票を手堅くまとめた。

 社民新人の幸喜愛は自治会活動を通じて経た知名度を生かして社民や無党派層から支持を得た。

 公明新人の高橋真は6期務めた金城勉の後継として公明支持母体の創価学会や企業票をまとめた。

与野党で2議席ずつ<うるま市区>

 定数4に過去最多の7人が出馬し、混戦を極めた。与党現職2人(社民、無所属)と自民新人2人が当選し、与野党が2議席ずつを分け合ってきた選挙区の構図に変動はなかった。

 照屋大河は地盤の具志川赤道を中心に、知名度も背景に革新支持層に手堅く支持を訴えた。

 山内末子は地元の石川から別の新人候補が立ったが、具志川にも支持を広げた。

 大屋政善は自民県連の仲田弘毅会長の後継として、与勝地域を中心に支持を拡大した。

 喜屋武力は市議の経験や地域活動の実績を打ち出し、具志川を中心に組織票もまとめた。

中立・公明が議席回復<浦添市区>

 8年ぶりの選挙戦となった浦添市区は、与党2人(共産、社大)、野党(自民)1人、中立(公明)1人が当選した。維新は議席を失った。

 島尻忠明は市内の業者などを中心に組織票を固めた。宮古島関係の支援も後押しとなった。

 松下美智子は市議5期の実績を背景に支持を広げ、公明が前回擁立を見送った議席を回復した。

 西銘純恵は相談活動や市民への聞き取り調査に基づいた訴えが有権者に浸透した。

 当山勝利は地盤の大平を中心に支持を固め、詰め寄る新人を退けた。

野党1増で3議席に<島尻・南城市区>

 定数4の島尻・南城市区は与党系2人、野党系3人が争った。与党系は1議席、野党系が3議席を獲得した。

 現有議席は与党1人、野党の自民2人、中立の無所属1人だった。

 社大新人の瑞慶覧長風は豊富な運動量で票の取り込みに努めた。祖父で元社大党委員長の故・長方氏の地盤も生かした。

 自民現職の座波一は南城市を中心に保守層の掘り起こしを図った。企業票も取り込み、盤石な選挙運動を展開した。