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沖縄の負担減、不透明 海兵隊グアム移転 日米演習常態化


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【ワシントン共同】日米両政府は軍事行動を活発化させる中国をにらみ、台湾や尖閣諸島での有事に備えて南西諸島の防衛を強化する。自衛隊駐屯地を相次いで開設し、米軍との施設の共同使用を進める。沖縄県内や周辺では共同演習が常態化。在沖縄米海兵隊のグアム移転が実現しても、沖縄県民が負担軽減を実感できるかは不透明だ。

 昨年2~3月、海兵隊と陸上自衛隊は、日本国内で初となる離島奪還の共同訓練「アイアン・フィスト(鉄の拳)」を九州・沖縄で実施。エマニュエル駐日米大使は「日米同盟による抑止力を高める」と意義を強調した。

 南西諸島では自衛隊と米軍が民間の空港や港湾を使おうとする動きが広がる。沖縄へのミサイル部隊配備計画も進み、戦闘に巻き込まれるとの県民の懸念が膨らむ。周囲に住宅や学校が密集し「世界一危険な米軍基地」とも言われる普天間飛行場を名護市辺野古に移す計画は県の反対を振り切って埋め立て工事が進む。軟弱地盤の改良で難工事が予想され、普天間返還は2030年代半ば以降になる見通しだ。

 在沖縄米海兵隊のグアム移転計画 沖縄に駐留する米海兵隊のうち、約4千人を米領グアムに移転する計画。日米が2006年5月に合意した在日米軍再編ロードマップ(行程表)では、沖縄の負担軽減を図りながら抑止力を維持するため、宜野湾市の米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設する計画と連動していた。進展が見られず、日米は計画を調整。12年、グアムへの移転を先行実施することに合意した。現行計画では沖縄に約1万人が残る。