【東京】内閣府は28日、沖縄での鉄軌道導入に関する2023年度の調査結果を公表した。導入コストに対する経済効果を示す「費用便益費」(B/C)は、需要喚起方策の検討も合わせて調査を開始した2012年度から最大値の0・75となったが、依然として事業実施の目安となる1に届かなかった。
調査には新たに大型ホテルの新設計画などによる需要の増加と土地価格の上昇などを加味した。
コスト縮減方策として「磁気浮上方式(HSST)」など六つの新公共交通システムを検討し、名護―糸満を結ぶルートを想定した場合、費用便益費は前年度より0・01ポイント高い0・75となった。概算事業費は前年度比20億円増の7070億円。累積赤字額は前年度比660億円減の4550億円だった。
内閣府は、累積損益が黒字転換せず、事業効率性や事業採算性について引き続き課題があると分析、北部地域の需要増の動きなどに留意した調査が必要としている。
(嘉数陽)