有料

「協議対象」認識に相違 沖縄県、週内にも国へ質問状 大浦湾くい打ち試験


「協議対象」認識に相違 沖縄県、週内にも国へ質問状 大浦湾くい打ち試験 辺野古新基地建設で、海中に打ち込むくいをつり上げるクレーン船=3日午前、名護市瀬嵩(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 與那原 采󠄀恵

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、大浦湾でのくい打ち試験について、沖縄県は、環境保全対策面などから「事前協議の対象となる」とし、協議が調うまでは着手しないよう申し入れたが、国は「協議の対象ではない」との見解を示し、3日、試験の作業に着手した。

 事前協議は、2013年12月に県が当初の埋め立て申請を承認した際に付した「留意事項」に基づくもの。23年12月に国が大浦湾側の軟弱地盤改良工事に向けた設計変更申請の承認を代執行したことに伴い、県と国は大浦湾側の埋め立て工事着手前に必要とされる事前協議を続けてきたが、当初から認識は食い違う。

 県は、1月から始まった海上ヤード工事や、今回のくい打ち試験を、環境保全対策などの面から「協議対象」との認識を示した。また、協議が調うまでは工事を中止するよう国へ求めている。

 一方で国は、海上ヤード工事は、埋め立て承認申請書の中核である「設計概要」に記載されていないため「協議の対象外」と説明。くい打ち試験は、打ち込む鋼管ぐいが試験後に撤去予定であることなどから「協議の対象外」と主張する。

 防衛局は、6月18日に県へ送付した協議の回答文書で「協議は調いつつある」との認識を示し、協議を事実上打ち切った。

 一方、県は、全ての疑問が解消されることを「協議が調う」と認識しており、早ければ今週中にも5回目の質問状を送付する予定だ。 

(與那原采恵)