【辺野古問題取材班】沖縄防衛局が名護市の大浦湾でくい打ち試験の作業を開始した3日、地元から憤りや不安の声が聞かれたほか、「必要な作業なら仕方ないのではないか」と受け止める声もあった。
辺野古区に住む50代女性は「県民の民意や自然環境をないがしろにしている。(新基地建設に)反対の人たちを諦めムードにしようとしているのか」と声を落とした。女性は米NGOが大浦湾を世界的にも重要な海域としてホープスポットに認定したことに触れ、「世界的にも希少な海が壊されてしまうという」と危機感を示した。
同区の60代の男性は、県が大浦湾のくい打ち試験を事前協議の対象だと指摘している中で作業が始まったことについて「一方的だ。協議するつもりがないという姿勢が見える」と厳しく批判し「(大浦湾は)地域の命を育んできた海だ。心臓にくいを打たれるような思いだ」と話した。
一方、別の60代男性は「もう工事は進んでいる。工事に必要な作業なら仕方ない」と冷静に受け止めた。また新基地建設を巡り、県と国の対立が続いていることに関して「玉城デニー知事は反対一辺倒ではなく、現実的な解決策を示すべきだ」と話した。
「国が進めている事業だから何も言えない」。同区の女性は複雑な表情を浮かべた。
(金城大樹)