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絶滅危惧の藻「クビレミドロ」面積最小 沖縄・泡瀬地区で23年度 環境監視委で報告


絶滅危惧の藻「クビレミドロ」面積最小 沖縄・泡瀬地区で23年度 環境監視委で報告 泡瀬干潟に生息する「クビレミドロ」=2007年(泡瀬干潟を守る会提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 與那原 采󠄀恵

 沖縄総合事務局と県は1日、中城湾港泡瀬地区の埋め立て事業に関する環境監視委員会(委員長・有住康則琉球大名誉教授)の2024年度初会合を那覇市内で開いた。23年度の環境監視調査結果で、環境省レッドリストで絶滅危惧I類の藻類「クビレミドロ」の成育面積が3200平方メートル(24年3月調査)にまで縮小し、工事前の調査を基に定めた基準値(9060~1万6750平方メートル)を下回ったと報告した。

 クビレミドロは、例年12月頃から目視で確認され始め、3月頃には生育面積が最大となるという。今回報告された生育面積は、事業が着工された02年以降、最小面積となる。

 生育面積の縮小要因について、総合事務局は、23年8月に台風6号が長時間接近したことに伴い、休眠卵が流出した可能性や、淡水で育ちにくいクビレミドロの生育域に流れ込む水路が近年拡大し、陸水流入が増加しているため、出芽・生育に影響を及ぼしている可能性があると分析した。

 23年度には、新たな埋め立てや浚渫(しゅんせつ)が行われていなかったことなどから「工事や埋め立て地の存在による影響の可能性は低い」との見解を示した。

(與那原采恵)