那覇軍港の浦添・西海岸への移設を巡り沖縄防衛局が10日、環境影響配慮書の公告・縦覧を始めた。那覇市と浦添市の両首長は、軍港移設の進展を冷静に受け止めた。軍港移設先の松本哲治浦添市長は「(合意した際)計画に基づきプロセスが進むことは承知していた。計画に基づき、一歩進んだというところだ」と話した。
松本市長は「軍港受け入れは、苦渋の決断だったということは過去も今も変わらない。『振興策も浦添市は享受できた』と言えるように、(振興策を)強く国に求めていきたい」と力を込めた。
防衛局が説明会を実施しないことについては、「HP上に説明を載せたり、問い合わせに対しての資料の準備をしたりすると聞いている」とした。その上で「説明責任は国の方にも、推進している県にもあると思う。国と県も説明をしていくべきだろう」と語った。
那覇軍港を抱える那覇市の知念覚市長は、移設条件付き全面返還が合意された1974年から約50年の経緯と、受け入れを表明した浦添市側への配慮をにじませ「ここまで進んだことは評価する」と語った。「沖縄の将来のために、市単独ではなく、経済界の動きと合わせて跡地利用に取り組みたい」と述べた。
(嘉陽拓也、藤村謙吾)