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敦賀原発、新基準不適合 規制委初、再稼働は困難 活断層存在の可能性


敦賀原発、新基準不適合 規制委初、再稼働は困難 活断層存在の可能性 福井県敦賀市の日本原子力発電敦賀原発。原子力規制委員会は審査会合で2号機の原子炉直下に活断層があることを否定できず、原発の新規制基準に適合しないと結論付けた=26日午後(共同通信社ヘリから)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 原子力規制委員会は26日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を開き、原子炉直下に活断層が存在する可能性があるとして、原発の新規制基準に適合しないと結論付けた。不適合判断は規制委発足後初めて。今後の取り扱いは31日に委員全5人が出席する定例会合で検討するが再稼働は困難で、審査不合格となる公算が大きい。
 原電は追加調査の意向を示し審査継続を求めたが、原発の新規制基準では活断層の上に重要施設を設置することを禁じており、廃炉を迫られる可能性もある。規制委は原電幹部からの意見聴取も検討する。
 審査では(1)原子炉の北約300メートルにある「K断層」が活断層かどうか(活動性)(2)原子炉直下を通る「D―1断層」などがK断層と一体かどうか(連続性)―が焦点となった。これらの断層は敷地内にある活断層「浦底断層」から枝分かれするように延びている。
 規制委側は5月、(1)について「活動性は否定できない」と結論付けた。この日の会合で原電側は活動性と連続性はないと反論したが、規制委は「明確な証拠により否定できていない」などとして退けた。
 原電の村松衛社長は福井県内で取材に応じ「追加調査を行う。廃炉は考えていない」と述べた。
 2012年の規制委発足後、原発27基が審査を申請し17基が合格したが、不合格は前例がない。
 敦賀原発を巡っては、13年5月、規制委の有識者調査団がD―1断層が活断層だとする報告書をまとめた。原電はこれを否定する形で15年11月に審査を申請した。