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【記者解説】両陣営とも「知名度」重視 宜野湾市長選、一騎打ちの公算 沖縄


【記者解説】両陣営とも「知名度」重視 宜野湾市長選、一騎打ちの公算 沖縄 宜野湾市役所(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 松川正則市長の急逝に伴う宜野湾市長選は、保守系とオール沖縄陣営それぞれが元市長の佐喜真淳氏と市議の桃原功氏の擁立を決めた。両者の一騎打ちになる公算が大きい。市内の中心に位置する米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設の是非や返還後の跡地利用、経済振興、教育福祉政策が主要争点となる見通し。9月1日の告示まで1カ月を切る短期決戦で、政策を浸透できるかが勝負の分かれ目となる。

 両陣営とも短期決戦のため、最終的に政治経験が豊富で実績があり、知名度が高いベテランを擁立した。

 2018年の市長2期目途中で知事選に挑んだ佐喜真氏の後継が松川氏だった。普天間飛行場の跡地利用や公共インフラ整備など市政継続への安心感や政権与党とのパイプの強さが優位に働くとみて佐喜真氏擁立につながった。一方、桃原氏は革新系の重鎮で基地問題に精通する。現在市議会で最長となる8期目。騒音など普天間飛行場の問題に取り組み、弁舌を鋭く松川市政と相対してきた。過去にも有力候補に挙がっていた経緯があった中での選考となった。

 辺野古の新基地建設は今年から大浦湾側の埋め立て工事が開始され、前回市長選時から進展を見せる。松川市長は新基地建設は「容認せざるを得ない」との姿勢を示していた。佐喜真氏も踏襲するとみられる。一方の桃原氏は反対を訴えてきた。先の県議選では玉城デニー知事の与党側が、新基地建設を容認する野党に大きく議席を伸ばされたばかり。いずれの候補が当選しても県内政局や新基地建設への影響は大きい。

(梅田正覚)