玉城デニー知事は9日の定例記者会見で、2004年に発生した沖国大米軍ヘリ墜落事故から13日で20年となることについて、事故の後も米軍普天間飛行場所属機による部品落下事故などが相次ぎ、周辺住民は事故への不安を抱えているとして「普天間の危険性の除去は喫緊の課題という認識はずっと続いている。辺野古移設に関わりなく、危険性の除去は実現されるべきだ」と訴えた。
県はこれまで、普天間に配備されているオスプレイの半数程度を県外に配備することや、所属機のローテーションによる訓練移転などで危険性を除去するよう政府に求めている。玉城知事は「引き続き日米両政府に対して『辺野古が唯一の解決策』という固定観念にとらわれず、速やかな運用停止を含む一日も早い危険性の除去、県外・国外移設と早期の閉鎖返還を求めていく」と話した。
昨年11月に鹿児島県・屋久島沖で発生した米空軍CV22オスプレイ墜落事故の事故調査報告書が公表され、歯車(ギア)が破断したことの根本的な原因が示されなかったことについて「根本的な原因が特定されないまま(米軍と防衛省が)安全性に問題がないと断言すること自体が問題だ。十分に解明されないまま沖縄の住宅地上空を飛行する状況は絶対に認められない」と批判した。
9月に予定する訪米の意義について、米軍人による女性暴行事件が相次いで発生していることで県民に大きな不安を与えていることから「早期に訪米し米国政府や連邦議会の議員に対して直接説明することは米軍人の綱紀粛正にも非常に効果的だと考えている」と話した。米大統領選の動向を注視し、民主、共和両党の議員ら幅広い関係者と面談する意向を示した。
パリ五輪の重量挙げ男子73キロ級で、那覇市出身の宮本昌典選手が6位に入賞したことに「非常に素晴らしい活躍で、県民にとって大きな喜びで子どもたちの希望にもつながる」と喜んだ。「オリンピックは金メダル至上主義的な意見もあるが、出られるまでの苦労を重ねたことへの敬意は県民が等しく持っていると思う。精神的、技術的な鍛錬に心から敬意を表したい」と話した。
(沖田有吾)