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米軍による現場封鎖や取材制限、基地指令に反すると明らかに 「権限持たない」と明記 沖国大ヘリ墜落20年 沖縄 


米軍による現場封鎖や取材制限、基地指令に反すると明らかに 「権限持たない」と明記 沖国大ヘリ墜落20年 沖縄  基地外での航空機事故の場合の対応を定めた基地指令。「いかなる場合においても、武力や威圧を用いて写真やテープ、写真素材を没収したり、民間人の撮影を物理的に妨害してはならない」と明記される
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2004年8月の沖縄国際大での米軍ヘリ墜落事故で、米軍は現場を封鎖し取材を規制したが、これらは基地外での飛行機事故の対応を定めた普天間飛行場の基地指令に反していたことが後に、明らかとなった。米軍が同10月に公表した事故調査報告書に添付されていた基地指令に「報道機関や民間人の墜落現場への立ち入りを拒否する権限を持たない」と明記されていた。

 さらに指令では「武力または威圧を用いて、写真・テープまたは写真素材を没収したり、民間人の撮影を物理的に妨害したりしてはならない」と定めていた。

 ヘリ墜落事故では、大学の校舎内に入ったテレビ記者を米兵が追いかけ、撮影した映像テープを没収しようとし、部品が散乱した民間道路でも米兵が記者の撮影をさえぎるなどして取材を妨害している。これらは全て指令に反していた。

 事故調査報告書では「機体整備不良による事故」と結論付けた。その中に基地指令も添付されていたが、報告書に現場封鎖や取材妨害については触れられていない。

 (梅田正覚)