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沖国大米軍ヘリ墜落事故って何? 現場封鎖、基地の不条理あらわに<ニュースはじめの一歩>


沖国大米軍ヘリ墜落事故って何? 現場封鎖、基地の不条理あらわに<ニュースはじめの一歩> 米軍ヘリ墜落事故の翌日、現場で事故処理を行う米軍関係者=2004年8月14日午前11時すぎ、宜野湾市の沖縄国際大学
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 宜野湾市の沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事故から20年を迎えます。どのような事故だったのでしょうか。

 2004年8月13日午後2時18分ごろ、普天間飛行場を飛び立ったCH53D大型輸送ヘリが沖縄国際大1号館に激突、炎上しました。ヘリに搭乗していた海兵隊員3人は負傷しました。民間人への被害はありませんでしたが、ヘリの部品は飛散し、周辺の住宅を破壊しました。

 墜落直後、普天間飛行場から多くの米兵がフェンスを乗り越え、大学側に侵入し、現場を封鎖しました。県警や地元消防、メディア関係者は現場から締め出されました。県警は当時、検証許可状を持っていましたが、米軍は日米地位協定の「合意議事録」を根拠に拒否しました。県警が現場を調べることができたのは墜落6日後で、米軍が機体の残骸を片付けた後でした。

 県警は事故から3年後の2007年8月、日米合同委員会が認定した事故報告書を基に、航空危険行為処罰法違反容疑で海兵隊の整備士だった4人を氏名不詳のまま書類送検しました。那覇地検はその後、全員を不起訴にしました。

 沖縄国際大は毎年8月13日に学内で集会を開催し、普天間飛行場の閉鎖や撤去を求める声明や学生代表の意見の発表などを実施してきましたが、米軍ヘリは今も大学上空を飛んでいます。20年の節目を迎える今月13日午後2時から「普天間基地の閉鎖を求め、平和の尊さを語りつぐ集い」として集会や講演会が実施されます。