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米軍部隊に「安全軽視の文化」 豪オスプレイ墜落の報告書で指摘 世界中で事故


米軍部隊に「安全軽視の文化」 豪オスプレイ墜落の報告書で指摘 世界中で事故 沖縄県名護市沿岸の浅瀬に墜落し、大破したオスプレイ 墜落し機体が折れ、大破したオスプレイ=2016年12月14日、名護市安部海岸
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2023年8月にオーストラリアで発生した海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ墜落を巡り、米軍の報告書は亡くなった機長が16年に名護市安部にオスプレイが墜落した際にも事故機を操縦していたと記載している。部隊に「飛行の安全および航空整備手順を軽視する文化」があったことも指摘した。世界中で事故が相次ぐ中、安全性に疑問を投げかける。

 米軍は今回の事故原因として判断や計算のミスを挙げた。

 機長について(1)任務の計画策定に参加しなかった(2)各種書類を確認しなかった(3)荷重計算を怠り、計画より2千ポンド(約907キロ)重い状態で飛行した―などと指摘。墜落前にも別の事故が2件あり、その時点で部隊の飛行停止措置を取らなかったことは「重大な問題だ」とした。

 16年の名護市安部での事故でも当該機長は安全管理に関する事前の手続きが不十分と指摘されていた。

 また、空中給油に複数回失敗した段階で中断せずに続けようとした判断も問題視された。燃料がさらに減ると操縦が「より攻撃的に」なって事故につながった。米軍は背景に「自信過剰」があったと分析していた。

 一方、教官としての評価の高さなどを強調し「これ以上の厳しい制限は MV22コミュニティと海兵隊全体に悪影響を及ぼす」として飛行資格の失効など強い措置は回避し、条件付きで飛行を継続することを認めていた。

 (明真南斗、知念征尚)