こども家庭庁は27日、2025年度予算の概算要求を発表した。子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する「日本版DBS」のシステム整備費など、安心や安全確保に重点を置いた。不登校の小中学生への新たな支援も盛り込んだ。児童手当や育児休業給付などを含め、一般会計と特別会計の総額は24年度当初比2394億円増の6兆4600億円とした。
日本版DBSは26年度にも開始。性犯罪歴がある人は刑終了から最長20年採用されないなど就業を制限する。学校や保育所などの雇用主側は性犯罪歴の確認が義務となる。こども家庭庁を通じて法務省に照会、結果を記載した「犯罪事実確認書」の交付などに必要なシステムの開発に22億円を要求した。
不登校の小中学生は約30万人(22年度)に上る。専門の支援員を自治体に配置して保護者向けの相談を実施することや、子どもと地域の民間施設とのマッチングなどに2億6千万円を計上。子どもが安心して過ごせる居場所づくりにも13億円を求める。
子どもが入院した際に家族がする「付き添い入院」の整備費は1億9千万円。医療機関に、休息スペースの設置費やベッドの購入費を補助する。
<用語>日本版DBS
子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴の有無を確認する制度。英国の「DBS」(Disclosure and Barring Service、前歴開示・前歴者就業制限機構)を参考にした。仕事の性質が、指導など優越的立場の「支配性」、密接な人間関係を持つ「継続性」、他者の目に触れにくい「閉鎖性」の要件を満たす場合を対象とする。保育所や学習塾などで被害が相次いでおり、子育て支援団体や保護者らが創設を求めた。
(共同通信)