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予算の「概算要求」って何? 省庁が要望し年末「予算案」に 沖縄は一括計上<ニュースはじめの一歩>


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この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

  2025年度の沖縄関係予算の概算要求が2820億円と発表されました。「概算要求」とはなんですか。

  概算要求とは、各省庁が次年度に取り組みたい事業や、その事業を行うために必要な金額を、予算を査定する財務省に要望することです。各都道府県は概算要求前に各省庁と折衝し、8月末に要望書を提出します。年末に概算要求を基にした「当初予算案」が決まります。

 しかし沖縄県は、このような方法で予算折衝は行いません。内閣府が県の代わりに各省庁への国庫要請を一括して行う独自の制度を採っており、これを「一括計上方式」と言います。

 沖縄県は太平洋戦争終結後の27年間、米施政権下に置かれ、戦後復興と社会資本整備が遅れました。沖縄の振興を国が責任を持って進めるという形で始まったのが「沖縄振興」です。沖縄が日本に復帰した1972年に沖縄振興開発特別措置法が制定され、それを基に一括計上方式が始まり、現在まで続いています。予算計上の仕組みが異なるだけで、特別な予算が上乗せされているものではありません。

 沖縄関係予算の中には12年度に創設された「一括交付金」と呼ばれる、自由度の高い国庫支出金があります。ソフト交付金とハード交付金の二つに分かれています。道路などのインフラ整備に使うハード交付金は、14年度の932億円をピークに減少しており、25年度の概算要求では388億円となりました。