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デニー知事、米学生100人に講演「緊張より平和外交を」 沖縄の取り組み訴える


デニー知事、米学生100人に講演「緊張より平和外交を」 沖縄の取り組み訴える ジョージ・ワシントン大学で開かれたシンポジウムの終了後、集まった学生からの個別の質問に答える玉城デニー知事(右)=11日午後(日本時間12日午前)、ワシントン
この記事を書いた人 Avatar photo 石井 恵理菜

 【ワシントン11日=石井恵理菜】訪米中の玉城知事は11日午後(日本時間12日午前)、ジョージ・ワシントン大学でシンポジウムに登壇し、学生たちに向けて沖縄の地域外交の取り組みについて講演した。玉城知事は南西諸島の軍備増強などの現状を紹介し「緊張感を高めるよりも、戦略的に平和外交を行うべきだ」と訴えた。

 意見交換には、同大のマイク・モチヅキ准教授、ディフェンス・プライオリティ財団のジェニファー・カバナー上級研究員、外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員が参加。オンラインも合わせ、約100人が参加した。

 カバナー氏は、南西諸島の防衛力強化や、米軍の嘉手納基地への最新鋭戦闘機配備などについて言及し、中国から見ると沖縄の米軍基地は強化され「友好的ではないメッセージに映っている」と指摘。「問題解決には攻撃的な戦略を高めるだけでなく、外交で緊張感を緩和しなければならない」と述べた。

 参加したジョージ・ワシントン大学院2年のリキ・ウィドドさんは「米国は州知事が独自に外交することはない。沖縄に米軍基地が集中して事件が起きている状況から、知事の取り組みが理解できる」とうなずいた。

 ジョージタウン大に通う、韓国出身のジョン・フンチャンさんは「私たちは日本の憲法9条にはソフトパワーがあることを学ぶべきだ。知事の地域外交の取り組みを評価する」と共感した。