>>外務省、日米合意の一部をサイト不掲載 国会答弁と食い違いか
1997年に日米が合意した事件事故に関する通報手続きを巡る外務省の対応からは、情報公開を軽視する同省の姿勢が浮き彫りとなった。
合意した内容が、合理的な理由もなく国民の目から遠ざけられている可能性があることは重大な問題だ。外務省の情報公開の在り方が問われている。
今回判明した文書について、なぜ掲載されていなかったのかは外務省内でも判然としないという。両国の相互通報を一対として定めた合意を、わざわざ編集して片方のみ載せるのは不自然だ。インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)が入手して問題化しなければ、公表されていなかったか、公表が遅れていた可能性がある。
行政の情報は国民へ公開されることが原則だが、外交上、相手国との調整が必要となる情報はあり得るだろう。だが、今回判明したのは、外交上の理由もなく情報が伏せられている場合があるということだ。原則を無視して「外交上の理由」「相手国との関係」という定型文のような言い分を使い回し、情報公開に消極的な姿勢を続けることは許されない。
(明真南斗)