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<琉球フォーラム> トランプの米国、今後も続く 講師 横江 公美氏 (東洋大国際学部教授)


<琉球フォーラム> トランプの米国、今後も続く 講師 横江 公美氏 (東洋大国際学部教授) 講演する横江公美氏=12日、那覇市のロワジールホテル那覇(ジャン松元撮影)
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 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の11月例会が12日、那覇市のロワジールホテル那覇で開かれた。東洋大国際学部教授の横江公美氏が、「2024米大統領選挙の結果を受けて」と題して講演した。
 米国の保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」で上級研究員となった経歴を持つ横江氏は、トランプ氏が勝利した背景として、人口動態や世代論を踏まえた共和党の選挙戦略があったと指摘。白人の比率が低下する中で、共和党は選挙戦略として民主党支持者が多かった白人労働者だけでなく、2010年ごろからヒスパニック、黒人層の票を取るための戦略を練っていたという。
 今回の選挙でトランプ氏は、労働組合の強いミシガンなどの州で勝利した。黒人票、ヒスパニック票の切り崩しも成功し、所得面でも最も票の多い中間層を共和党が獲得した。「得票の仕方を見ると、今までの人種間の分断とは様相が違う。今後4年間はトランプの一瞬の花火ではなく、この状態が今後も続くと考えてアメリカを見た方が良い」と指摘した。
 安全保障では、覇権を争う中国に対してより強硬姿勢を取るとして「軍事への投資を強めるという話も既に内部で出ている。沖縄は地政学的な重要性がある。いろいろな話が出て来ると思う」と話した。 (沖田有吾)