【島人の目】あるフォーク歌手との出会い


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ロサンゼルスで関島秀樹さんというフォーク歌手に会った。彼が出したCDのタイトルは「びわこからのメッセージ」。福岡県生まれだが琵琶湖が好きで、その湖畔に移住して、琵琶湖に寄せる愛を歌うようになった。アメリカにも強く魅(ひ)かれた彼は、日系2世と結婚した。
 「アメリカ輝いてた あれは昔の話か」と、「心の中のアメリカ」で問うている。大田昌秀参議院議員からのブログが寄せられ、最近訪れたアメリカと学生時代のそれとが天と地の違いがするほど妙な社会へと変ぼうしたのにはがくぜんとさせられた、と書いてあった。
 アメリカは変ぼうせずには生きていけないのだ。テロの脅威に対抗しなければならないからである。しかし、沖縄は今揺れている。「環境破壊につながる辺野古に新しい基地を建設してほしくない」と大多数の沖縄の人たちは主張している。沖縄の人々はアメリカ民衆、自然保護団体と交渉してみるのも一計になるかもしれない。
 アメリカは「草の根民主主義」の強いところだ。私はそこにアメリカの偉大さを発見する。関島さんの「心の中のアメリカ」の終章にあるように。
 「陽が昇り いつものように1日が繰り返す 貧しさも肌の色もすべて飲み込みながら そして今日も国を越えて夢を求め人が来る 限りないエナジーに引き寄せられるかのように アメリカ 生きることのすばらしさを知ったよ アメリカ 愛すること お前に教えられたよ 今も俺の心の中に生き続けているのは 愛と正義と自由のBIG AMERICA」。
(当銘貞夫、米国通信員)