【フランス】科学者の新田英之さん 名護で26日に演奏会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 科学者でアマチュア音楽家としても東京やパリで活躍する那覇市出身の新田英之さん(28)が、名護市などで4月にピアノの演奏会を開く。新田さんは東京大学やパリのキュリー研究所でナノ・マイクロ科学、一分子生物学などの研究に従事する科学者だが、東京とパリで音楽の勉強も続け、ピアノは著名な作曲家から曲を献呈されるほどの実力がある。

両親の故郷・名護市での演奏会に「本業を持ちながらもここまでできるという刺激をウチナーンチュの皆さんに与えられれば」と抱負を話す。
 新田さんは那覇市で生まれ育ち、幼年期の2年間を米ボストンで過ごした。鹿児島県のラ・サール中学・高校を経て東京大学工学部に進学し、同大学院工学系研究科を修了。東大ではナノ・マイクロ科学の研究に従事、2004年にイギリス王立化学会の論文レフリーに指名され、05年度東京大学工学系研究科業績優秀者第1位、同年に日本機械学会奨励賞を最年少で受賞している。
 その後フィリップ・シャープMIT教授(ノーベル生医学賞受賞)の勧めもあり一分子生物学の分野に移り、その年の秋から1年間、キュリー夫人の設立したパリ市内のキュリー研究所で一分子生物学の研究に従事した。
 新田さんは、東京では太田戸紫子、鈴木美子、田崎悦子、パリではオリヴィエ・ギャルドン、シャンタル・リュウ、ニース音楽アカデミーでパスカル・ロジェの各氏らにピアノを師事。06年には作曲家フレデリック・ジェフスキから「ナノ・ソナタ」を献呈されている。
 演奏会は、19日は南城市のシュガーホールで岩崎セツ子門下生による第18回ピアノアンサンブルの夕べ「日仏交流150周年記念コンサート」に出演。26日には名護市民会館で「春のコンサート」を開く。
 (与那嶺佐和子通信員)