【ロサンゼルス】豚料理、味は絶品 新島さん招き講習会


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料理講習会でイナムドゥチの作り方を教えるナンシー・新島さん(右)=12日、米国ロサンゼルスの県人会山内ビル

 北米沖縄県人会(ケン・神谷会長)婦人部はこれまで3年間にわたって婦人部長として部の活性化に励んできた呉屋君子さんに代わって、3世のヘリーン・島根さんが新部長に就任した。12日にナンシー・新島さん(65)を講師に迎え琉球料理講習会を開催した。

新島さんは首里出身、沖縄調理師専門学校創立者の新島正子さんの息子の嫁でプロの料理研究家として知られる。
 沖縄料理の特徴に触れ、「その飾り気のない愛情豊かな料理の数々は、琉球王国時代に中国との交易で培った歴史と亜熱帯気候に由来している。後に薩摩や江戸との交流が交ざり合い、現代でも日本料理と中国料理の大きな影響が見られる。日本文化の根底にある仏教が禁じた肉食の思想はなく、沖縄料理の中心は豚肉。豚は『鳴き声以外すべてを使い尽くす』といわれるほど、すべての部位を使いこなす沖縄人の知恵と工夫は見事と言える」と説明、豚三枚肉を使ったスープ(みそ味とすまし仕立て)を紹介した。
 献立は豚三枚肉、イナムドゥチ。材料は干しシイタケ、コンニャク、かまぼこ、豚ゆで汁、かつおだし、白みそ、香辛料と食材豊富。化学調味料を一切使用しない、豚汁のラードは一晩冷蔵庫で寝かしてすくい取るなどの健康志向が考慮されている。出来上がったスープは絶品の味。50人余の受講生らは口々にその素晴らしさを褒めたたえていた。
(当銘貞夫通信員)