【アメリカ】縁の下の力持ち3人 県人会行事に一役


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 米国ノースカロライナ州のジャクソンビル沖縄県人会には3人の縁の下の力持ちがいる。3月に開かれた創立20周年記念祝賀会の成功も彼女らの働きが大きい。
 多美子・バーカー・上村さん(那覇市出身)は宮城流能松会の教師として2つの県人会の門下生らに12年近く、踊りを指導する。祝賀会でも生徒が日ごろの成果を見せた。バーカーさんが2つの県人会でなくてはならない存在であるもう一つの理由は、会報の作成とイベントのプログラム作りに一役買っていることだ。富士通で働いた経験が役立っている。

 妙子・ノースさん(57)=北中城出身=は毎回イベントで司会を務め、観客を楽しませる。ユーモアのセンスが光り、天性の明るさで親しまれるが、昨年、卵巣がんを患い、4時間半に及ぶ手術に耐え、今は抗がん剤の投与を受けている。体力はまだ完全に戻っていないにもかかわらず4時間以上にわたる会を見事に遂行した。妙子さんは「楽しいことは自分のためなので引き受けた」と答えた。
 舞台でも活躍し、祝賀会のため準備から後片付けまでフル回転で働き、会を盛り上げた人はセリーナ・サイツさん(35)。太鼓グループを立ち上げ、5歳から40歳までの沖縄系2世、3世20人を指導している。晴れの舞台では、母親恵さんの故郷、八重山の歌をセリーナさん自らが振り付けし、父親のソニーさんの見事な歌で勇壮な舞いを披露した。セリーナさんは「沖縄の伝統芸能は素晴らしい。県人会にかかわることによって家族のような絆(きずな)が生まれる」と話した。
(鈴木多美子通信員)