【キラリ大地で】アメリカ/飛鳥・バウチャーさん(23) 母親が名護出身


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ズンバを教え活躍する飛鳥・バウチャーさん=米国バージニア州

 ポスト・ビリーズ・ブートキャンプといわれているラテン系フィットネスが脚光を浴びている。その名は「ZUMBA」(ズンバ)。米国マイアミで始まったサルサ、メレンゲなどラテンダンスのステップを基本とし、いろいろなジャンルの踊りをミックスして振り付けたものだ。体脂肪の燃焼効果があり、心肺機能を向上させ、なおかつ筋肉も鍛えられるという。ダンスパーティーに来たような楽しさと飽きがこないことから、日本をはじめ世界34カ国以上の国で人気上昇中ということだ。

 そのズンバのダンス・スタジオを持ち、フィットネスの講師として、また、インストラクターを養成するマスタートレーナーとして活躍中の飛鳥・バウチャーさん(23)は今年、会社を設立し一企業家として出発した。今、最も輝いている沖縄系若者といえる。
 飛鳥さんは東京生まれ。7歳の時に沖縄に引っ越し、1年生のころ曙小学校に通った。12歳で米国に移り、その後、大学を3年半で卒業した。スペイン語、ポルトガル語など語学が堪能な才媛だ。「大学生のころ、初めてズンバと出合い、これだ!と思い、即マイアミに飛んだ。まだヒートしていないころ、米国でのズンバの生みの親のインストラクターから直々に教えを請い、試験を受け正式にインストラクターになった」と流暢(りゅうちょう)な日本語で話す。
 飛鳥さんのスタジオはワシントンDC近郊にあるショッピングセンターの一角。入り口のドアを開けると、中からはじけるようなラテンの曲が聞こえてきた。スタジオには総勢120人ほどがステージのインストラクターの体の動きをまねて踊っている。
 コンピューター技師の父親のデビットさんが会社のホームページ作成に協力、名護市羽地出身の母親、厚子・バウチャー(平良)さんは、ダンススタジオの受付などを手伝っている。
 現在、週6日、クラスがあり、自分のスタジオ以外にもIDB(米州開発銀行)などでもズンバを教えている。
 ブラジルの民族太鼓バタラの奏者としても活躍する多忙な日々だ。「最初は生徒8人で始まったダンスクラスは、今では多いときで200人以上も集まるほど大きくなった。お金もうけだけではなく、社会貢献として、レッスン料の収益金を寄付する活動もしている。次回は子供のがん病院のために全額を寄付する予定」と語る。
 昨年、飛鳥さんが踊っているプロモーションDVDを見た日本人が飛鳥さんから集中レッスンを受け、日本で教室を開校した。「できたらいつか沖縄でもスタジオを開きたい」と笑う。沖縄は全国一肥満が多い県。飛鳥さんが脱肥満の救世主になるかもしれない。
(鈴木多美子ワシントンDC通信員)