「移民の歴史観残したい」 ハワイの林さんがOTV番組題材、修士論文


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ハワイ大大学院で多民俗学を学ぶ林眞美さん(25)=那覇市出身、琉球大卒=が、沖縄テレビ(OTV)が1987年から2003年にかけて制作した「沖縄発・われら地球人」と「世界ウチナーンチュ紀行」を題材にした修士論文を手掛けている。

 林さんは「番組を通して移民の沖縄観を探り、記録に残してハワイの県系人コミュニティーでも参考にしてもらいたい」と意気込んでいる。
 番組は世界中で活躍する県系人を紹介した30分番組。15年間で210本制作された。ハワイの有料ケーブルテレビでも「ウチナーンチュ ワールドワイド」として英語字幕で放送され、林さんはハワイ版206本を約3カ月で見終え、分析したという。論文は来年5月に完成予定。林さんは「ハワイに行ってからの方が沖縄のことを勉強するようになった。移民は苦労して助け合い、沖縄出身であることを誇りに思っている。沖縄では考えもしないことを気付かせてくれる」と話した。
 林さんは13日、当時ディレクター兼リポーターだったOTV報道制作局・編成局担当の前原信一取締役を訪ね、番組開始のいきさつや番組に対する思い入れなどを聞いた。
 前原取締役は「沖縄よりハワイの方が番組に対する反響が大きかった。放送された番組をテーマに論文を書いてくれることはとてもうれしい」と喜んだ。