【島人の目】オキナワン?


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 3年前の話。生徒の一人に沖縄県出身の祖母を持つ男子生徒がいた。ある時、クラスで私が、沖縄出身だと言うと、その男子が「じゃあ、ミセス・鈴木は日本人じゃないんだ」と発言。

すると他の生徒たちが「じゃあ、ミセス・鈴木は日本人じゃなくて何人なの?」と口々にその男子生徒に向けて質問が飛んだ。その男子いわく「She is Okinawan.」(彼女は沖縄人)。
 放課後、補習授業をしている時、迎えに来ていたその男子生徒の祖母に初めて会った。私の想像とは全く違い、60代の若々しい女性だった。夫も同伴していて、話すと、日本人と沖縄人を分けて使っていた。
 先月の話。那覇育ちの40代、50代の女性が集ってユンタク会(飲み会)をした。Y子は、人に国籍を聞かれたら「I am Japanese.」(私は日本人)とは言わず「I am Okinawan.」(私は沖縄人)と答えると言った。仲間の中で一番若い彼女の意外な面にびっくり。その後、沖縄人のアイデンティティーについて議論が白熱したが、結局のところ「日本人である前にウチナーンチュ」で落ち着いたような。
 ところで、話は戻るが、興味津々で返答を待っている生徒たちに、私は「I am from Okinawa, Japan, and I am Japanese.」(私は日本の沖縄出身で、日本人です)と答えたのだった。
(鈴木 多美子、ワシントンDC通信員)