移民100周年式典 訪問団、600人規模に


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市町村関係4団体の南米移民100周年視察訪問団説明会で事務局から説明を受ける首長や議長、市町村担当者ら=那覇市の沖縄パシフィックホテル

 ブラジルで24日、アルゼンチンで31日に開かれる県人移民100周年記念式典に向け、県内から現地を訪れる訪問団が約600人規模に拡大している。

安里カツ子副知事が参加を予定する県訪問団のほか、県議会、経済団体、市町村関係4団体(22市町村の首長、議長ら)、民間からも多数が訪問予定。旅行社は「これほどの盛り上がりは他県にない」と話す。100年の節目に両国を訪れる人数の多さが、約1万8000キロ離れた地球の反対側の両国と沖縄の強い結び付きを表しているといえそうだ。
 県訪問団は、安里副知事と交流推進課、県国際交流・人材育成財団らで構成。県議会は高嶺善伸議長ら11県議が訪問する。市町村から宮城篤実嘉手納町長ら12首長、15議長が参加。副市町村長や副議長らを合わせると計22市町村42人。県経営者協会も現時点で16人が訪問予定だ。
 旅行社などによると一般定期便の申し込みが約170人に達し、チャーター便(380席)などと合わせ沖縄からの訪問団総数は計600人規模の見通し。ブラジル渡航に必要なビザ申請の期限が迫る現在も申し込みが相次いでいる。
 沖縄ツーリストの山本達涼広報企画部長は「単県で600人規模は全国的に例のない盛り上がりだ。世界のウチナーンチュ大会のたび、南米から400人規模で親類らが訪れる結び付きの強さを反映している」と説明する。
 沖縄ブラジル協会の西原篤一会長は「現地社会に貢献する県人の活躍を多くの県民に見てもらう機会になる」と期待。沖縄アルゼンチン友好協会の屋比久孟盛会長も「遠く離れた地へ足を延ばす人がこれほど多いのは、沖縄の人々の肝心(ちむぐくる)が表れている」と盛り上がりを歓迎する。両会長も8月に両国を訪問する。
 両国では式典のほか歓迎会、パレード、先人をしのぶ法要などを予定。訪問団によってはサンパウロ、ブエノスアイレスでの式典や、県系人が多数暮らすブラジルのカンポ・グランデ市の式典参加、親類訪問、観光地など巡る。(宮城隆尋)