アルゼンチン移民100年 「沖縄映画祭」を企画


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 沖縄から最初の移民者が訪れてから満100年を迎えるアルゼンチンで、JICA青年ボランティア(日本語教師)として派遣されている玉城真奈美さん(33)=那覇市出身=が、在アルゼンチン沖縄県人連合会(沖県連、米須清文会長)の100周年関連行事などに自主的に協力している。

9日にはブエノスアイレス市の同県人連合会館で、沖縄関連の映画2本を無料上映する「沖縄映画祭」を企画。「31日の100周年記念式典に向け、世代を超えて盛り上げたい」と意気込んでいる。
 もともと「沖縄の人間として移民100周年にかかわりたい」と感じていたという玉城さんは、準備に走り回る沖県連の人々を見て「やらねばならぬ」との思いが強まり、3月ごろから協力するようになった。日系日本語学校で日本語教師をする傍ら、行事や作業を手伝っている。
 6―7月に開かれた「沖縄文化祭」では、開会式の司会を務めた。「会場はいつも満員。特にエイサーや和太鼓が演舞された『タイコ・フェスティバル』は、県系人だけでなくアルゼンチン人も一体になって楽しんだ」と振り返る。「沖縄文化が浸透している」と100周年記念式典を間近に控えた現地の熱気を伝える。
 アルゼンチンで沖縄関連の映画が上映される機会は少ないことから、玉城さんは3月、沖県連に「ナビィの恋」と「涙そうそう」の上映を提案。企画を「沖縄映画祭」と名付けてチラシを作り、配布。機材調達やポスター作成、あらすじの翻訳などの作業に忙しい。上映は字幕がないため、日本語が分かる1世を中心に呼び掛けているが「1世は高齢化している。日本語が少しでも分かるなら2世、3世も付き添いで訪れ、世代を超えて沖縄文化に触れてほしい」と話す。
(宮城隆尋)