子孫ら先人に思い ブラジル笠戸丸移民100周年で集い


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20家族の子孫約120人が参加した笠戸丸沖縄移民子孫の集い=7月26日、ブラジル・サンパウロ市の沖縄県人会館大サロン

 「第1回笠戸丸沖縄移民子孫の集い―100年の時を経て初めての出会い」が7月26日、ブラジル・サンパウロ市の沖縄県人会館大サロンで催された。

 22日から始まる沖縄県人移民100周年祭典の前に、笠戸丸移民の子孫が顔を合わせて絆(きずな)を強めようと、与那嶺ルーベンスさん(67)=3世=が呼び掛け、「写真で見るブラジル沖縄移民100年史」(宮城あきら編集委員長)の編集委員が協力して実現した。
 笠戸丸沖縄移民325人(47構成家族)のうち20家族の子孫約120人が参加。会場に展示された写真を指さしながら、「これが祖父です」「これが父です」「これが小さいときの私です」などと、懐かしさあふれる表情で、友人らに説明する姿が印象的だった。
 与儀昭雄ブラジル沖縄県人会長は「笠戸丸から始まった先人移民のおかげで今日のわれわれがある。それらの人々に感謝の念をささげながら、移民の歴史を思い起こし、これからの歴史につなげよう」とあいさつ。宮城委員長は「むさぼるように写真を見ている家族の姿に胸を熱くした」と述べた。
 移住者の写真をスライドで上映した後、与那嶺さんが笠戸丸移民の歴史を手短に説明。移住者の名前とその子孫である家族が紹介されるたびに、会場に大きな拍手が響いた。
(与那嶺恵子通信員)