ウチナー魂次代に ブラジルで訪問団歓迎会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ブラジル県人会と交流する訪問団メンバーら=22日午後9時ごろ(日本時間23日午前9時ごろ)、ブラジル・サンパウロ市のハッカ会館

 【サンパウロ22日移民100周年取材班】ブラジル沖縄県人移民100周年祭典実行委員会(実行委員長・与儀昭雄ブラジル沖縄県人会長)は22日夜(日本時間23日午前)、ブラジル・サンパウロ市のハッカ会館で、沖縄などからの訪問団を歓迎する夕食会を盛大に催した。

 1200人を予定し準備した会場から人があふれた。参加者は互いに交流を深め、大海を超えた強い絆(きずな)を確かめ合った。各地の訪問団代表は壇上で「ウチナー魂を次世代につなげよう」と呼び掛け、移民100周年を新たな交流の出発点にすることを誓い合った。
 ブラジルを訪れた県人や県系人の訪問団を「慶祝団」と称し、歓迎のあいさつをした与儀実行委員長は「一緒にイチャリバチョーデー(出会えばきょうだい)のチムグクルで移民100周年を盛り上げよう」と呼び掛けた。安里カツ子副知事、ハワイ、北米など各地の県系人の代表や一行が紹介された。
 慶祝団を代表し、あいさつした安里副知事は「100年前の先輩たちはウチナーンチュの魂を残してくれた。ウチナーンチュのネットワークで築いた絆を100年、200年後の若い人々につないでいこう」と宣言した。
 ブラジルの県人会メンバーらはサンバショーなど熱の込もったアトラクションで会場を盛り上げ、訪問団のメンバーらは終始、感激の様子だった。
 会場では、いとこ同士が初めて出会う場面も。ハワイ在住の中村ヨシコさん(80)とブラジル在住の美代子宜保山田さん(65)が涙を流し抱き合った。美代子さんは、4年前に94歳で亡くなった母貞子さんから、ブラジルに渡る際、当時7歳のヨシコさんが港で見送ってくれたことを聞かされていた。美代子さんが「本当にありがとう。生前、母が喜んでいた」と感謝すると、ヨシコさんは「会いたかった。一生懸命探したよ」と美代子さんを抱きしめた。