苦労しのび先人悼む ブラジルで開拓先亡者慰霊法要


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一般焼香で、祭壇に向かって手を合わせる県系人や沖縄関係者ら=23日午前11時すぎ、ブラジル沖縄県人会館大ホール

 【サンパウロ23日移民100周年取材班】ブラジルの移民100周年記念開拓先亡者追悼慰霊法要が23日午前(日本時間同日夜)、ブラジル沖縄県人会館大ホールで開かれた。

沖縄からの訪問団や現地の県系人ら約500人は、移民史を切り開き南米の地に眠る先人たちを悼み、祈りをささげた。
 与儀昭雄祭典委員長(ブラジル沖縄県人会長)は「“ゆいまーる”の心をもって助け合い、沖縄の古い教訓をかみしめながら堅実な県人社会を維持・伝承することを固く誓う」と述べた。安里カツ子副知事が仲井真弘多知事の弔辞を代読。高嶺善伸県議会議長、笠戸丸県人移民子息代表の熊谷美代子さんが追悼の辞を述べた。
 献楽の儀で、野村流古典音楽協会の三線や琉球箏曲興陽会による箏の演奏などがあり、元県費留学研修生らが献花、ぶくぶく茶ブラジル支部が献茶した。
 ブラジル県人2世の島袋輝世さん(77)は、一世の母松さん(97)と弟の洋八さん(74)、日出吉さん(69)と参列。今帰仁村出身の父を14年前に亡くしており、「農作業でまじめに頑張る父を見て育った。1世の苦労を皆さんでねぎらってもらうことは本当にありがたい」と声を震わせた。24日には県人移民100周年記念式典が開かれる。