新100年へ出発 ブラジルで移民記念式典


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あいさつする与儀昭雄ブラジル沖縄県人会長=24日午前(日本時間同日午後)、ブラジル・ディアデマ市のブラジル沖縄文化センター

 【サンパウロ24日移民100周年取材班】1908年、笠戸丸に乗った沖縄県人最初の移民のブラジル・サントス港への到着から100年を祝う「100周年記念式典」(ブラジル沖縄移民100周年祭典実行委員会主催)が24日午前(日本時間同日午後)、ブラジル・ディアデマ市のブラジル沖縄文化センターで開かれた。

 式典にはブラジル県人会をはじめ、県や日本本土、米国、ペルーなどからの訪問者ら合わせて6000人(主催者発表)が参加し、移民先駆者の苦難に強い敬意と感謝の意を示し、今年は「新しい100年への出発点」との決意を表した。
 式典では参列者全員が開拓先亡者に1分間の黙とうをささげた。
 式辞を述べた実行委員長の与儀昭雄ブラジル県人会長は「100周年記念祭は、先駆者の戦いと苦難の歴史を想起し、心からの感謝と敬意を表すためのものだ。今日ここにお集まりの笠戸丸移民の子孫がその趣旨を的確に把握している」と語った。その上で「新しい100年に向かって日系コミュニティーの将来、同時に母県との関係について反省すべき機会だ」と述べ、沖縄県との一層強い関係づくりに努める意思を表明した。
 仲井真弘多知事の来賓祝辞を代読した安里カツ子副知事は「母県を離れ、長年にわたりブラジル社会において生活の基盤を築いた皆さま方は、その貴重な経験と知恵をブラジル連邦共和国と沖縄県の交流推進のために役立てていただきたい」と期待を示した。
 高嶺善伸県議会議長は「100年前、325人の県人はウチナーンチュ魂で幾多の困難を乗り越え、今日の発展の礎を築かれた。あらためて県人たちの偉大な功績に深く敬意を表し、感謝する」と呼び掛けた。