「100周年記念式典」で感謝状 花城淑子さん(100歳・名護市出身)


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感謝状を手に「今、幸せです」と語る花城淑子さん=24日午前(日本時間同日午後)ブラジル・ディアデマ市のブラジル沖縄文化センター

 【サンパウロ24日移民100周年取材班】1908年、笠戸丸に乗った沖縄県人最初の移民がブラジルに到着して以来100年を祝うため、24日午前(日本時間同日午後)にブラジルのディアデマ市で開かれた「100周年記念式典」で、100歳の高齢者として感謝状が贈られた花城淑子(よしこ)さん=名護市出身、1世=は「県系人は女の知恵で成功した」と移民100周年と自身の人生を重ね合わせた。花城さんは、感謝状を手に「今、幸せです」と笑顔を見せた。

 花城さんは、1928年に呼び寄せ移民としてブラジルに渡った。最初は高地で農作業に従事したが、あまりにも稼ぎが少なく、お金がたまらなかったので街へ出たという。
 花城さんは「ブラジルで県系人や日系人が成功したのは、主婦が『高地の生活は嫌だ』と言って街に出たことが大きい。街に出たことで、高地の時よりも楽に子どもたちを学校に通わせることができた」と語った。
 花城さんは8人の子どもを育て上げた。その中には「大学教授もいる」と言う。「女の知恵があったから(日系人は)成功した。わたしは女としての務めをやり遂げた」と誇らしげ。
 「沖縄は忘れられない生まれ故郷(くに)、ブラジルは育ての故郷」と話す花城さん。感謝状を手に「とてもうれしい。今、幸せです」とにっこり笑い、顔を赤らめた。(新垣毅)