ウチナーの心、次世代に アルゼンチン県人移民100周年式典


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アルゼンチン移民100周年記念式典で会場がハッピーバースデートゥーユーを歌う中「100」と記されたケーキがカットされた=8月31日(日本時間1日)、アルゼンチン・ブエノスアイレス市の在亜沖縄県人連合会館

 【ブエノスアイレス31日移民100周年取材班】アルゼンチン沖縄県人移民100周年記念式典(100周年祭典委員会主催)が8月31日午後(日本時間1日午前)、ブエノスアイレス市の在亜沖縄県人連合会館で開かれた。

沖縄からの訪問団、米国や南米諸国など海外の県系人、地元県系人ら1500人(主催者発表)が参加。県人社会の繁栄を築いた先駆者たちの偉業に敬意を表すとともに、100周年の節目を機に「チムグクル(心)」「イチャリバチョーデー(行き会えばきょうだい)」などのウチナーの心を次世代へ伝える決意を新たにした。
 主催者を代表しあいさつした100周年祭典委員長の米須清文在亜県人連合会会長は「アルゼンチン市民から信頼され尊敬される日本人社会をつくり上げた先輩の皆さま、わたしたちの成長を見守ってくださったオジイ、オバア、オトウ、オカア、長年本当にありがとう。チムグクルとイチャリバチョーデーという、祖先より受け継いだウチナーンチュの心を次世代へ伝えていきたい」と思いを込めた。
 仲井真弘多知事の祝辞を代読した安里カツ子副知事は「1世が築いた礎(いしずえ)の上に2世、3世と続く皆さまが政治・経済・教育・文化などのさまざまな分野で活躍し、アルゼンチン共和国の発展に寄与されていることは、わたしたち県民の大きな誇りだ」と強調。
 高嶺善伸県議会議長は「世代が代わるにつれ、母県沖縄とのつながりが希薄になりがちだが、今後とも相互の交流を深め、ウチナーンチュのアイデンティティーを若い世代に継承することが強く望まれている。県議会としても、国際交流の推進に引き続き最大限の努力を傾注する」と述べた。
 市町村を代表し宮城篤実嘉手納町長は「県人の皆さんが若い世代に沖縄の心を教育することで、この大地にしっかり根付いていくと確信している。チムグクル、ユイマールなどの沖縄の心は根付いていくと確信している」と話した。
 式典の後、100周年記念祝賀会が盛大に開かれ、来場者は喜びを分かち合った。(新垣毅)