【島人の目】海外との経済交流


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 今年4月に悲願の定期便が復活し毎日のように沖縄旅行の広告を見ては達成感も感じている。定期便にはもちろん旅客が搭乗しているが貨物室にはひっそりとゴーヤーなど生鮮品も積んでいる。

まだまだ量は少ないが実現には関係者の尽力が欠かせなかった。離島県沖縄にとって定期航空便があって初めて人やモノを素早く運ぶことができ経済交流が活発になる。
 香港人観光客は昨年1万人を超え沖縄で香港人に会うことも珍しくなくなった。今では観光事業者に香港市場の魅力を説明する必要もない。同じように香港でも沖縄の認知度は飛躍的に向上し物産展で「沖縄」を説明することもない。商品力や販売力次第で売りやすくなっており公的な立場でできることは限られる。
 2年前の食品見本市に出展したある県内企業に「観光頑張ってよ」と言われ目覚めた。沖縄を知ってもらうには観光の力を借りる。ましてわが県は堂々たる観光地。言語も違えば沖縄に対する予備知識に乏しい海外との経済交流は観光が突破口になる。定期便が就航し観光客が定着した市場は人の往来も増え新聞・テレビの露出も手伝い、モノも売りやすい。ハイシーズンを過ぎ今年の秋冬をしのげば観光は定着するだろう。次のステップは企業誘致や投資を呼び込むことだと思い試行錯誤しながら種をまいている。
(宮城石、県産業振興公社香港事務所長)