【島人の目】五輪通し中国学ぶ


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 昨年8月の北京五輪入場券第1回の募集で、開会式とボクシングの入場券を中国銀行で申し込んだ。今年2月にボクシングの入場券に当選した通知が郵送されてきた。「大連日報」によると8月に入っても700万枚発売された入場券の1割強が残っており、開会式の入場券もまだ購入できる販売状況だったので、慌てて申し込んだこちらとしては拍子抜けした感があった。ホテルの宿泊料金は通常の約5倍に値上がりした。やむなく私たちは北京の友人のマンションに泊めてもらうことにした。

 ボクシングの試合は北京工人体育館であった。8月9日午後1時、気温32度、入場開始30分前で既に長蛇の列ができていた。入り口で厳重な荷物のチェック。1万3000人収容できる観客席は3分の2ほど埋まっていて応援合戦が繰り広げられていた。応援マナーの講習を受けたボランティアの学生1000人ほどが、棒ライトや鳴り物を振りながら応援をしていた。歓声とどよめきがうねるように繰り返される中で、オリンピックを観戦できる感動を味わった。
 懸念された暴動は、ボランティアを入れると全国で500万人動員したといわれる警備態勢に封じられた。大気汚染や人権問題、ネット規制の批判などが未解決のまま、中国の実力を見せて8月24日閉幕した。私たちにとっては「中国について学んだ」北京オリンピックでもあった。(池宮城克子、中国大連通信員)