【ロサンゼルス】自分のルーツに誇り 福岡県人会100周年記念祭


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ダニエル井上上院議員

 ハワイ州選出のダニエル井上・上院議員が7日、ロサンゼルス・ダウンタウンのマリオット・ホテルで行われた南加福岡県人会創立100周年記念祭で基調演説した。井上議員は福岡県八女郡出身の両親のもと、1924年、当時米国の準州であったハワイのホノルルで生まれた。幼少のころから祖父母や両親に日本文化の大切さを教えられ、日本学校で毎週日本語を学んだが戦争勃発で高等科で中断を余儀なくされた。

 442部隊(日系)として欧州戦線に参加。陸軍大尉で退役後、ハワイ大学に復学し卒業するが、右腕を失ったことにより当初目指していた医学の道をあきらめる。その後は政界に進出し、59年に民主党からハワイ州選出の連邦下院議員に立候補し当選、米国初の日系人議員となった。62年上院議員に当選、今日まで継続している日系の代表的人物である。
 基調演説で「米国民であることに誇りを持っているのと同様に、福岡県民であることにも誇りを持っている」と自身のルーツを知る大切さを訴えた。「われわれのミッション(使命)の遂行に携わっている県人会に感謝する」と語った。7日は誕生日で84歳になったのだが、かくしゃくとした姿勢で話し、声には張りがあり、目は輝いていた。今年1月29日アイリーン・ヒラノ元日米博物館長と結婚したばかりである。(当銘貞夫通信員)