【キラリ大地で】アメリカ/与那嶺恵子さん(64)金武町出身


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
与那嶺恵子さん(右から3人目)と門下生ら。左端は安次富ミヨちゃん=8月、リトル東京

 金武町出身でカリフォルニア州オーシャンサイドに住む与那嶺恵子さん(64)がサンディエゴ郡に琉球舞踊道場を開設してから今年で24年目を迎えた。2003年にはサンディエゴ市の日米センター女性フォーラムの「日本文化賞」を琉球舞踊部門で受賞した。1997年にはサンディエゴ郡とオレンジ郡の子供病院でチャリティー・ショーを行い、収益を全額同病院に寄付したいきさつがある。ドイツ系米国人のダン・レイクさんと68年に沖縄で結婚、83年からオーシャンサイドに定住、現在に至っている。池原シズ家元(石川市)から師範免許が授与された。

 与那嶺さんの指導方法には定評がある。厳正さの中にも優しさを込めて、各人に合ったやり方だ。今年6歳になる安次富ミヨちゃんを4歳のころから親身になって育てた。饒平名京さん(13)や池宮かおりさん(23)ら2世の20代の門下生が大勢いる。8月に行われた琉球新報社主催の「琉球古典芸能コンクール」で門下生のジョセフ・ジョーンズさんが最高賞、山内亜希子さんが最優秀賞を受賞した。
 北谷出身の天願未春さん(20)が1年ほど前から与那嶺道場に入門、大学へ通学し英語の勉強をしながら琉舞に打ち込んでいる。去年、今年とリトル東京で挙行された「2世ウイーク・パレード」に門下生の一人として参加した。未春さんは末吉ひでこさんの妹の娘で、ひでこさんのめいに当たる。末吉家はハリウッドで「沖ドッグ・レストラン」を経営し、沖縄出身経営者として成功している一人である。ひでこさんも与那嶺さんの門下生であり、未春さんに入門を奨励した。
 与那嶺さんは県人会芸能部の部長をした経験があり、現在は顧問。門下生は40人ほどでサンディエゴ郡、オレンジ郡、アリゾナ州ツーサン市で指導の傍ら、県人会をはじめ日系団体などで琉球伝統芸能文化の紹介、発展に寄与している。
 「夫の舞踊に対する理解があるから今日の私がある。心から感謝している」と話している。(当銘貞夫通信員)