【島人の目】「OK」と言われるように


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 よく使う英語は「OK」。簡潔、便利で今や世界語となったこの言葉の由来を知ったのはごく最近。第7代大統領アンドリュー・ジャクソンによって生み出されたといわれている。彼は貧しい家庭に生まれ、12歳の時、独立戦争に従軍し負傷。さらに家族を全員亡くし薄幸の少年時代を送った。

だが、後に親戚(しんせき)の遺産を継ぎ、財産家の娘と結婚、政治家の道へと進んだ。
 大統領になったジャクソンが書類にサインをする時「all correct」(すべてよし)と書くべきところを発音通りのつづりの「oll korrect」と間違って書いてしまった。子供のころ、まともに教育を受けなかったせいなのか、豪放磊落(ごうほうらいらく)な性格もあって直そうともせず、そのまま通した結果、この「oll korrect」が、略されて「OK」となり「よろしい」という意味に使われるようになったといわれる。
 ジャクソンは「民衆をして統治せしめよ」をモットーにし、秘密会議だった党大会をコンベンション式にしたり、白人男子の普通選挙権を確立したりと庶民的な大統領であった半面、インディアン強制移住の政策をとったり、対外的には、脅威や公益のためなら強権的な外交をした大統領として知られている。
 シンクタンクの研究員の本によれば、ブッシュ外交は9・11テロ以降、このジャクソン流の強権的で大衆迎合的な政策が反映されていると書かれている。
 外交、国内経済への取り組みが「OK」とは言えない状態だったブッシュ政権。オバマ次期大統領には、賢明な指導力によって内外から「OK」と言われる政権運営をしてほしいと願う。
(鈴木多美子、ワシントンDC通信員)