【アメリカ】ウチナーグチ、脈々と スピーチに飛び入りも


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受講終了証書を受け取り喜ぶ生徒=ガーデナ市、県人会館山内ビル

 沖縄の精神文化を南カリフォルニアで後世へ継承し、古里の言葉を広め根付かせるため、北米沖縄県人会の比嘉朝儀会長の発案で2002年度から始まったウチナーグチ・クラスの開講6周年記念祝賀会が、このほどガーデナ市の県人会館で催された。

 生徒のペドロ安慶名さんの司会で、5人の生徒と会場からの飛び入り参加者らがそれぞれ5分の持ち時間で次々とスピーチや自分にまつわる琉球物語を披露。特にペルー出身のロサ薬師さんの「母が遊んだ名護のヒンプン・ガジュマル」、ハワイ出身のハービイ安里さんの糸満の「白銀堂の由来」、そして南風原出身の山内繁子さんの「間切りの言葉」は、会場に熱気をもたらした。
 当日の台本は、生徒各自がシナリオを作成、講師を務める比嘉会長がウチナーグチに翻訳。本番に向けて4日間にわたる特訓と入念なリハーサルが行われた。
 比嘉講師は「古里の言葉への理解と沖縄の精神文化のチムグクル(肝心)を、異国の地で受講生のみならず大衆と共に育て、沖縄の人としての誇りと同郷者のよりどころを築いていこうという趣旨で進められ、今後も継続してクラスが開かれる」とあいさつ。両親がペルー移民で2世のロサ薬師さんは「親が使っていた言葉なので、聞けば理解できるが、普段はスペイン語と英語を使用しており、自分の口から出にくい」と話していた。
 続いて比嘉講師から生徒へ受講終了証書が授与された。約70人の出席者が持ち寄ったトウガンや昆布の入ったソーキ汁、三枚肉のラフテー、赤飯などに舌鼓をうちながら、沖縄民謡「てぃんさぐの花」、「汗水節」などを合唱し、最後に全員でカチャーシーを踊り、プログラムを締めくくった。
(当銘貞夫通信員)