【アメリカ】沖縄の精神面、写真で表現 ジェームス・中川氏


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中川氏の作品「バンタシリーズOKINAWA#008」

 ニューヨークのセピア画廊でこのほど開かれたジェームス・中川氏の「バンタ・シリーズ」写真展が好評を博し、大型デジタル・プリント2点がメトロポリタン美術館の買い上げとなった。

 中川氏はアメリカ生まれの東京育ちで、テキサス大学へ進学した。大学院を修了した後、飛躍的な活躍をしている写真家だ。現在はインディアナ大学芸術学部写真学科主任教授としても活躍中。
 ウチナームークの中川氏は近年、戦場となった沖縄や沖縄の歴史、特に精神面でのバンタやガマ、マブイに強く心を引かれ、沖縄をテーマに集中して作品を制作し続けている。大学側の理解を得て、半年沖縄に滞在し沖縄戦や「集団自決」の調査研究、現場で撮影に従事した後、インディアナ州に戻り、高度なデジタル写真技術を駆使して独自の表現方法によってシリーズを完成した。
 また、昨年秋にはニューヨークでの個展が、パリ写真月間の招待展示ともなった。
 メトロポリタン美術館に収蔵された作品を含め世界的に評価の高い、沖縄をテーマにした「バンタ・シリーズ」が、今年6月17日から7月20日まで佐喜眞美術館で公開されることになった。世界と沖縄の美術界の距離が一段と接近したことは喜ばしい。
(比嘉良治通信員)