【島人の目】伝記作家・飯沼信子さん


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 南カリフォルニア「日本女性経営者の会」は「Bridge of Hope―日系アメリカ人の辿(たど)った道」と題して、日英両語による300ページの著書を出版した。第4章に「新しい時代のパイオニアたち」の「人物コラム」欄が設定され、アメリカで活躍している6人のインタビュー記事の中にノンフィクション作家の飯沼信子さんの功績が掲載されている。

 飯沼さんは1992年「野口英世とその妻」を上梓。副題には「明治・大正の偉人たちの国際結婚」とあり、黎明(れいめい)期に日本を背負った男たちと、異国の妻の物語をつづっている。高峰譲吉とキャロライン・ヒッチ、松平忠厚とカリー・サンプソン、長井長義とテレーゼ・シューマッハ、鈴木大拙とベアトリス・レインの人生の功績とロマンスについて書いている。2006年旭日単光章受章、日本ペンクラブ会員・エッセイスト会員で静岡県出身。
 飯沼さんは、最近ローラ・ブッシュ前大統領夫人から、夫人の顔写真を添えての感謝状を受けた。感謝状には「スージー・スズキを通して送付されたあなたの手紙と『Bridge of Hope』の書物、確かに受領しました。あなたが書かれた『初期の日本人移民が果たしたこの国への貢献』に多大なる賛辞を送るものです」と書かれていた。
 文面のスージー・鈴木さんは、8年間にわたりローラ夫人と2人の娘さんのファッション・コーディネーターを務めた日系人である。
 飯沼さんの著作はすでに米国立図書館スミソニアンに2冊収納されている。今回、「Bridge of Hope」と近著「異国の妻たち」を加え、ダラスに建設されるブッシュ大統領の記念図書館に収納されることになっており、私を「日本エッセイスト・クラブ会員」に推薦してくれた人として、その偉業を讃(たた)えたい。
(当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)