【島人の目】ビジネスは1日にしてならず


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 最近、福州の街なかに「台湾のお茶」、「台湾の小物」、さらには「台湾の果物・お菓子」などと、あえて台湾をPRした産品を販売する小さなお店が誕生しつつある。

 もちろん、十数年も前から台湾資本によるコンピューター、電気機器メーカーなどが香港・マカオを介して中国大陸に進出しており、ここ福建省でも、既に貿易や製造業分野にいわゆる同胞企業としての台湾企業が多く見られたのである。
 近ごろは時代とともに工場としての有利性などに変化が生じたのであろう、新たなビジネス展開も見せ始めているような気がする。その一つが資本・設備の初期投資が少ない小ロットの流通・サービス業である。小さな店構えで自らあるいは1、2人程度のスタッフでヤング層を相手とする店もお目見えした。
 これまでの両岸関係商談会(台湾、福建省間の経済交流会開催)によるビジネス促進が功を奏したことは大きな成果であろう。その間、いわゆる台湾同胞の企業家子弟や留学生(企業家留学生等=中国との事業目的に留学した学生)の中にも、市場調査や学業を通して人的ネットワークを形成するなど将来ビジネスを見据えた動きも見られたのである。
 時あたかも、これまでのビジネス環境に追い風となる直行便運航の実現である。今や、人的・観光交流が増えるなど、中国大陸と台湾とのより一層の新たな交流の深まりや多彩なビジネス展開が起こりつつある。
 さて、これらの地域に隣接する沖縄にとってもビジネスチャンスは見つけられるはずでは! 小さくてもいい、市場のグローバル化とIT化の波の中に、あなたができるビジネスが必ずや見つかることを期待しつつ。
(仲宗根信明、県産業振興公社福州事務所長)