【島人の目】サービス精神


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 アメリカに住んでいて、閉口することの一つに新しく購入した商品を開けてみると、ある部品が足りなかったり、欠陥品だったりが多いこと。それを返品しに行くと、サービスカウンターは、相変わらずの混みよう。カウンターの中は、返品の商品が山積み状態。

苦虫をつぶしたような顔の店員は、謝ることは一切なく、なかばやる気のない態度で応対。クレームを言いに来た客の方が悪いような気がしてくる。
 沖縄からの友人一家と旅行中に車の調子が悪くなり、最寄りの修理屋へ持ち来んだら、ラジエーターやべルト等を交換させられた上、何か所か修理したとしてびっくりする金額を支払う目に遭った。
 最悪なことにそのラジエーターは、欠陥品で液が漏れていた。わたしが女性であり、メカに弱く、さらに、英語が不完全な外国人なので足元を見られてしまうのであろう。
 そんな折、3年ぶりに里帰りした時のこと。実家のオーブンレンジに不具合が生じた。買ったのは、すでに1年以上たっていたが、母が、購入先に連絡を入れたところ、店の人がその夜に来てくれた。また、新しく買ったDVDプレーヤーでの録画ができず、その店に電話をすると、早速店の人がはせ参じた。スゴイ。アメリカじゃまず考えられないこのアフターサービスの良さ。それも無料。
 修理後、母は、お茶とお菓子を出し、なんとよもやま話で労をねぎらった。アメリカにどっぷりつかっていたわたしにとって日本のサービス精神とお互いに信用する心をじっくりと見せてもらった一件だった。
(鈴木多美子、ワシントンDC通信員)