【フランス】古城に詩的庭園 県芸大「首里サーカス」、国際コンペ選出デザインを造成


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
庭を造り上げた「首里サーカス」のメンバー=ロワール・エ・シェール県のショーモン城

 第18回ショーモン国際ガーデンフェスティバル・コンペティションで、約300作品の中から上位20作品に選ばれた県立芸術大学・美術工芸学部のデザインチーム「首里サーカス」のメンバーが、2日からフランス入りし、デザインした庭を造り上げ、337拍子で現地のフランス人たちと完成を祝った。

 メンバーは、大学院2年生の仲嵩弥愛さん(24)、ダニエル・ロペスさん(38)、学部3年生の神山沙織さん(21)、井野真実さん(21)、吉村英里香さん(21)、木村友紀さん(21)の6人と北村義典教授(57)。
 いざ現地入りしてみると、頼んでいたものが届いていなかったり、土地が整地されておらず、自分たちで土を運んだりするなどハプニングなどもあったそう。だが、素晴らしい自然の中で、自分たちがデザインした作品を作り上げる喜びや、フランス式に飲んでおしゃべりしながらの食事、ほかの参加チームとの交流など、和気あいあいとした雰囲気で「観光などでは味わえないフランスを感じることができた」とメンバーは話す。
 今回選ばれた20チームのうち審査員全員一致で決まったのは首里サーカスを含む3チームのみ。「フランスの詩人ポール・エリュアールの詩を木陰のベンチで読みながら庭を眺める」というストーリーが見えるところが評価されたのでは、と北村教授。現場では、砂をインディゴの顔料で染める砂の藍染めや、立ち入り禁止を示すために石に縄を縛ったり、桜の木が植えられたりと庭造りの至る所に日本的なアイデアがちりばめられた。古城・ショーモン城の敷地内で5月6日から10月中旬まで展示される。
 (与那嶺佐和子通信員)